扇日記

着物好きの日記です。

多田焼と岩国焼きは別物だった

お詫びと訂正です!

先日投稿した『岩国生まれの多田焼』。

 

私は岩国焼と多田焼を同じものだと思って記事を書いてしまいました。岩国焼と多田焼は列記として窯が違います。岩国焼は吉香窯で作られている。

http://www.kikkougama.jp/about.html

申し訳ありません!文章を一部変更しました。

 

 

 

山口県は萩焼が有名ですが、多田焼というのもあるのですよ。

 

元禄13年(1700年)、周防国岩国藩(今の山口県岩国市)の藩窯として産声をあげた多田焼。

萩藩と仲が悪くなって萩焼が手に入らなくなり、岩国藩でも良い焼き物ができないだろうかと萩焼に対抗して作られたとか。

萩焼とちょっと似てますが、焼き物に装飾してあるところがあんまり萩焼にはみられないかも。

f:id:yukinosita-tamasudare:20210905173309j:image

 

当時の窯は将軍家への献上品を作ることを第一の使命としていたようです。茶碗や花器を主に焼いていて、その特徴は「貫入」。青磁釉薬表面に入るヒビです。(これは萩焼にもありますね)

 

岩国藩の吉川のお殿様は京都から陶工を招き、岩国市の多田地区の住人に学ばせたそうです。萩焼は九州の流れを組みますが多田焼は京都由来なんですね。

 

f:id:yukinosita-tamasudare:20210905173842j:image

釉薬によって色の感じが微妙に違うみたいですが、多田焼はうっすら青いか緑っぽいです。

萩焼は柔らかいピンクだったり水色がありますね。

f:id:yukinosita-tamasudare:20210905180617j:image

繊細な装飾です。こちらは秋ごろに出来上がる作品。茶道のお道具です。

f:id:yukinosita-tamasudare:20210905180733j:image

 

 

磁器もできます。こちらは磁器です。

f:id:yukinosita-tamasudare:20210905181018j:image

青いですねー。うっすら錦帯橋が見えます。

 

f:id:yukinosita-tamasudare:20210905181102j:image

多田焼は将軍様に献上される物なので良い品しか作りませんし、基本は江戸へ持って行かれます。失敗作は全て壊しています。なので庶民に出回ることもなく岩国にもほとんど残していないといいます。

 

100年間続いた窯ですが、寛政の年に途絶えました。戦争を経て昭和の時代に田村雲渓が再興。今は2代目が窯を引き継いでいらっしゃいます。

 

私は香合が好きで、一つ自分の物を持っておきたいと思って探していました。

私は茶道を岩国の地で学んでいるので、岩国生まれの多田焼に決めました。白い青磁の香合で錦帯橋の絵を描いてくださいと2代目先生に注文してきました(笑)