扇日記

着物好きの日記です。

般若姫伝説

山口県東部の山の上にある般若寺に行ってまいりました。

 

ここら辺は瀬戸内海に身を投げた般若姫伝説や、他にも龍神伝説(大畠の海の底には龍宮城があると言う。)、天女伝説、火の玉伝説とミステリーな言い伝えが数多く残っています。

f:id:yukinosita-tamasudare:20210425231928j:image

 

般若姫伝説をご存知でしょうか。ながいなが〜い言い伝えが大分県と山口県に残っています。

簡単にはしょってお話ししますと、大分県の貧乏炭焼き職人と顔にアザがあるお姫様が結婚し、生まれた少女が美しい般若姫。

 

九州で育った般若姫を一目見ようと時の皇子様が訪ねておいでになり、いろいろあってめでたく結婚。般若姫は身籠りますが、皇子は都の天皇に呼び戻されます。

 

当時の大分県あたりは蘇我氏の王国だったのですかね。ここら辺は母型家族性だったそうです。天皇は男系男子のお家柄。なので皇子が都へ帰る時、身重の体での長旅はキツいので、出産までここに居て、般若姫のお腹の子供が男児なら一緒に上京せよ、女児なら両親に託し後継としてから般若姫だけ上京せよと言い残し、皇子19歳と般若姫17歳は離れ離れに。

 

生まれた子供は娘でした。

娘の玉絵姫は大分の般若姫の実家が引き取り、般若姫だけが都を目指すことになるのです。

 

このながい旅路の途中で山口県の今の柳井市にたどり着くわけです。実は柳井市の「柳井」という地名も般若姫が名付けてくれました♪井戸の隣に柳の楊枝を立て、すると一夜にして柳が茂ったのです。「柳のそばの井戸」=柳井の由来となった、ということです。

 

ところが般若姫の一行は柳井市の大畠地区の海で嵐にあい、多くの犠牲が出ます。それに心を痛めた般若姫は人柱となり海に身を投げます。

 

般若姫を追って侍女達も何人か続いたといいます。すぐに引き上げられたようですが、姫の衰弱は著しく、「二度とこの場所で、このようなむごい事故が起こらないよう、瀬戸の守り神となります。私の亡骸は向こうに見えるあの山に葬ってください。」と言い残して息を引き取りました。般若姫19歳の春でした。

 

姫が指さしたあの山が、今の山口県平生町神峰山です。

f:id:yukinosita-tamasudare:20210425231727j:image

入り口はこんな感じです。

 

 

登っていくと…密教系だなぁ。

f:id:yukinosita-tamasudare:20210425232036j:image

 

そして門がありました。般若寺仁王門です。

f:id:yukinosita-tamasudare:20210425234009j:image

門の両サイドには金剛力士像が。

門からは海が見晴らせます。

f:id:yukinosita-tamasudare:20210425234455j:image

f:id:yukinosita-tamasudare:20210425234526j:image

f:id:yukinosita-tamasudare:20210425234647j:image

反対側には平生町。

f:id:yukinosita-tamasudare:20210425234606j:image

風が抜けて涼しい。龍が通る道と言われています。

 

近くの階段を登ってみました。

f:id:yukinosita-tamasudare:20210426001238j:image

最初に見た本堂(?)と似てる。

ここから眺める海も素敵。

f:id:yukinosita-tamasudare:20210426001403j:image

 

この般若寺、どうも最初は権現信仰だったとか。今は真言宗だそうです。

日光月光窓という火の玉が通る窓も有名で、太陽と月と星を象った窓が建物のどこかに隠れています。聖徳太子よりも前のお話なので太陽や月を崇拝していた神話の世界観も残っていますね。

 

結構なパワースポットです。門の入り口にちょうど朝日が見えるように建てていたり、霊感のある方が立ち寄ると体調に変化が現れるとかなんとか。

今でも般若姫は山の上から海の安全を守ってくださっているのでしょう。

(私は家に帰ってから足が怠くて仕方なかった。そんなに歩いてないのにな。)

 

 

所在地
〒742-1104
山口県熊毛郡平生町宇佐木1166
TEL: 0820-56-3636


交通アクセス
JR山陽本線柳井駅から車で15分

問合せ先
般若寺
〒742-1104
山口県熊毛郡平生町宇佐木1166
TEL: 0820-56-3636