伝説の香木、【蘭奢待】を知っていますか。
煎茶道を習っております扇。
茶道とは、お茶を美味しく気持ちよくいただく作法を習うものだと思っていたけれど、
掛け軸の文字も読んだり、お茶碗や陶芸の知識もいるし、お花の意味を汲み取ったり、お香の香りを感じたりと総合的に教養が必要。
そしてなによりお着物の決まりごとが複雑で難しい。
それが面白いところでもありますが。
その中のお香というものに興味がむくむくと湧いてくる今日この頃。
アロマテラピーでも白檀(サンダルウッド)がよく使われていますが、私は使いこなせない。アロマとして使ったことがないです。
サンダルウッドについてはこちらの↓↓サイトに詳しく書かれています。
https://felice-kaori.com/article/7429
日本では推古天皇の時代から「香木」というものを利用していたそうな。
お香の原料にもなっていますね。
香木というのは、気がダメージを受けた時にそこから病気にならないために、自ら芳香のある樹脂を出す木、と認識しております。
その香木の中に、
キングオブ香木、香木の中の香木というものがあるらしいのです。
それが蘭奢待です。この前大河ドラマ見ていたら蘭奢待が出てきました。
ドラマの中ではこんな感じ。
宇宙人かと思ったわ。
今でも東大寺正倉院に収蔵されているそうな。でかい!!
この蘭奢待を織田信長が所望したいと言い、二つも切り取ってもらったっていう話をドラマでやっていました。
ここら辺の話を東大寺の僧、浄実が『天正二年截香記』という書物に記録しています。
浄実はドラマの中でも蘭奢待の説明をしていました。
私も調べてみました。
蘭奢待
蘭奢待は足利義政が切り取ったあと、109年もの間、人目に触れていなかった。これを信長の待つ奈良の多聞山城に運ばせ、一寸四方(約9平方センチ)を二つ切り取った。
ドラマではこの切り取った片方を、信長は正親町天皇にプレゼントしていました。「きっと御喜びになる。」と。
上から〜。
でも天皇は信長と敵対している毛利輝元(?)だったかな、にあげてました。
香の文化が高まり、話題になり、価値が高まったのがこの頃なのでしょうか。宮中では薫物が調合され、組香の一種、十炷香も流行ったそうです。
信長の家来の中にも香の専門家がいたようで、名前を建部隆勝といいますが、この人しか蘭奢待の具体的な香りを書き残していないんですって。
なんでも伽羅よりも遅く香ってくるけど、香りが消えたと思いきやまだ香る。次第に香りが軽くなったところで冷ややかに香る。のだそうです。
どんな香りがするんだろう。
それにしてもこの時の信長は偉そうですね。
飛ぶ鳥も落とす。信長が東大寺に来るというだけで奈良は大変だったようです。
浄実は日記に
「手間や、気遣い、一夜にして白髪」と信長の強圧から東大寺を守るために必死に働いた様子を記しています。
正倉院の大切な宝物を、ただ勢いがあるだけの、勢いしかない武士が欲しいって言ってくるんですもんね。
そのほか、切り取った蘭奢待は千利休や津田宗及などにも与えられたようです。
さらに細く切ったのか。
この時代蘭奢待は茶人の間でも焚かれていたみたいですが、私の茶道の先生は聞いたことがないと仰ってました。実際にお点前で使うことは煎茶道ではないのかなー。
参照⇩
公益社団法人 日本アロマ環境協会【機関紙】No.74ストーリーのある香り11 松原 睦