水彩絵の具や油絵の具など、絵の具には様々な種類がありますね。
それぞれの絵の具ってどうやってできているのか、どんな特徴があるのかご存知ですか。
全ての絵の具は色のついた粉末の「顔料」と、顔料を紙や布などの支持体に定着させるための「展色剤」とを練り合わせて作られています。
顔料
顔料は水や油に溶けない色料です。同じような色料に染料がありますね。
染料は水に溶けますので繊維などを染めることができるのです。
顔料自体には定着力がないので、画用紙などの上においても顔料だけではくっつかないのです。なので展色剤が必要になってきます。
絵の具の成分や特徴の理解を深められると、意図に応じた表現がしやすいでしょう。
ちなみに顔料というのは、昔は鉱物や土、貝殻、木炭などを粉末にして、精製して作っていました。すべて自然のものから採取された天然顔料でした。青や緑は鉱石から作られていましたが、量が少なくて大変高価な貴重品だったとか。
19世紀以降になると、化学的に合成された顔料が人工的に作られるようになりました。今日ではほとんどの絵の具が合成顔料を使用しています。
水彩絵の具にはグリセリンが入っている
水彩絵の具は顔料をアラビアゴムで練ったものです。筆運びを滑らかにするためだったり、すぐ乾かないようにするためにグリセリン(湿油剤)を加えて作ります。
なんだか自分でも作れそうですよね。押し花かなにか植物から色を採取して。
アラビアゴムはアカシア科のアラビアゴムの木からとれる樹脂で、接着剤でおなじみです。
植物から色を採取して、アラビックヤマトのノリとグリセリン混ぜたら…できそうですよね。今度やってみよ。
水彩絵の具には透明水彩と不透明水彩とがある
透明水彩はよくイエローの絵の具で目にしたことがあるのでは。
塗っても塗っても下の色が見えるやつです。
これはアラビアゴムが多めなのですね。薄めてもよく延び、紙の白さや下地の色を生かせるように調合してあります。
不透明水彩はアラビアゴムが少ないです。顔料密度を高め、隠ぺい力を高めた絵の具です。
水彩絵の具は難しい。色彩を明るくしようとしたら絵の具を薄塗にしたほうがいいですよね。この薄塗が難しい。
画用紙の白をわざと残して塗るとか、ぼかしとかにじみとか。
水彩画のテクニックはすごいです。
次回はアクリル絵の具について。